2012年 03月 01日 | ▼

この街にはユダヤ教・キリスト教・イスラム教の祖であるアブラハムと息子のイサクの墓があります。
旧約聖書によれば、この地はアブラハムがエジプトから逃れ、銀400シェケルで初めて手に入れた土地であるとされてます。
この墓所のあるマクペラの洞穴は、ユダヤ教だけでなくイスラム教でも聖所です。
パレスチナの自治区内にありながらも、ユダヤ人にとってもこの地を独占したい訳です。
宗教・民族対立における惨劇の舞台でもあり、緊張した気持ちで訪れました。
今日は砂嵐が吹き荒れものすごく寒い日でした。
しばらくすると土砂降りの雨が激しい雹になって私たちをたたきつけました。
この道の先には、世界遺産に匹敵するアブラハムモスクがあるというのに、
観光客の姿もなく、お土産店は扉を閉め、完全なるゴーストタウンの様相でした。
この写真を撮った場所は、唯一営業を許されているお土産店からアブラハムモスクに向かう道です。
人がほとんど来ることがない場所を訪れた私たちがずぶ濡れでぶるぶる震えていたので、
お店のご主人が温かいアラビアンコーヒーでもてなしてくださり、暖をとらせてくれました。

この街ではあらゆることを封鎖され、街の中心を通る道の通行を制限され、
商業施設も立ち行かず、商店は扉を硬く閉めていました。
車を持つこともできないので、人々は大荷物を持って歩かなければなりません。
街にはいくつもの検問所が設けられ、2個の回転扉を通ります。
通過するたびにイスラエル兵士の厳しい視線を耐えなくてはなりません。
このチェックポイントのすぐ先には、アブラハムのお墓のあるモスクがあります。
要するに、パレスチナ人がお祈りをするためにアブラハムモスクに行くには、
このチェックポイントを通らなければたどり着けないのです。
チェックポイントを通過する事は、日本人の私にはあっけにとられるほど一瞬の出来事ですが、
パレスチナ人にとっては何時間も待たされたり、時にイスラエル兵のご機嫌の度合いで別室に連れて行かれたり、
裸にされて右を向いたりして辱めを受けたりすることも多々あるそうです。
パレスチナ人にとっては毎日味わわなければならない緊張と恐怖です。

カメラを向けると、この男性は嬉しそうに笑ってくれました。
このとき、ものすごい激しい雨が降っていたので、彼はもちろんずぶ濡れ。
その姿を見た私たちの仲間が彼に傘を傾け、近くまで傘に入れてあげようとした瞬間、
凍りつくような出来事が起こりました。

小屋の中にいたイスラエル軍の兵士たちが出てきて、
パレスチナ人の男性に向かって「何をしているんだ!」と呼びとめ、銃を突きつけたのです。
私が彼の写真を撮り、私の仲間が傘に入れてあげたばっかりにとんでもないとばっちりを受けてしまいました。
私自身、声にならない声を挙げ、目の前で逮捕されるのかもしれない!!と恐怖に震えました。
「パレスチナ人」に日々行われている嫌がらせは、私たち日本人の目には異常としか思えません。
良かれと思ってした親切が、こんな仇を受けるとは。。。
押し問答の末に釈放されましたが、些細なことで理由をつけて拘留されたり逮捕されている現実があります。
一度捕らえられてしまったら、どこの刑務所にいるのか探すことは不可能だそうです。
今日見た光景は、まさに信じられない光景でした。


































